「肩が痛いんですが、冷やした方がいいですか?温めた方がいいですか?」
これは四十肩の患者さんからよくいただくご質問です。実は、野球肩と四十肩には共通するケア方法があり、そのひとつが“アイシング”。しかし、時期を間違えるとかえって状態を悪化させることも。熊本で肩専門の整体を行う筆者が、四十肩と野球肩の違い、アイシングの効果をわかりやすく解説します
1.そもそも「アイシング」ってなにがいいの?
四十肩の肩の痛みって、野球肩と似たような症状が出ることもあります。野球のピッチャーが肩の炎症でボールが投げられなくなるのと同じように、四十肩でも炎症期には肩がズキズキ痛んだり、夜寝られないほど痛むこともあるんです。アイシングといえば、スポーツの現場、特に野球での肩のケガや登板後のケアでよく使われる方法です。実はこれ、四十肩の炎症期にも同じように効果があるケースがあるんです。アイシングの効果を簡単にまとめると、以下の3つになります。
1. 炎症を抑える
冷やすことで血管が一時的に収縮し、腫れや熱を抑えることができます。
2. 痛みを和らげる
冷やすことによって神経の働きがゆるやかになり、痛みの感覚が軽くなります。
3. 回復を促す
冷やされたところは、体が自然と温め直そうとし、結果的に血流がよくなるという反応が起きます。
つまり、冷やすことは“炎症を抑えて、痛みの軽減、回復に必要な血流を整える”ための手段と言えます。ただし、後で述べますが、四十肩自体を治すための手段ではないことに注意です。
2.四十肩の時期別アイシングの使い方
四十肩はその痛みや可動域の経過などから炎症期、拘縮期、回復期という3つの時期に分けられます。各時期の細かい部分について詳しく知りたい方は、以前の投稿をご覧ください!
以下に、四十肩の時期別のアイシングの使い方について書いていきます。
■ 炎症期
「肩がズキズキ痛む夜間も痛くて眠れない」 など、 この時期は名前の通り、炎症が強いことによる症状が起こりやすく、アイシングが効果的です。野球肩など、スポーツでアイシングをする目的と同じです。炎症を鎮め、痛みを和らげる効果があります。当てる時間は15〜20分を目安に、ひとつの場所に当てる場合には2時間以上は間隔を空けて行うのが基本となります。
■ 拘縮期~回復期
「じっとしている時や夜の痛みはないけど、肩が動かしにくい・重だるい」など、この時期は炎症はすでに落ち着いており、筋肉などの組織の柔軟性が低下している時期になる為、冷やすよりも温める方が効果的です。血流を良くし、筋肉や関節を柔らかく保つことで、可動域改善や再発防止につながります。温める方法でオススメなのがお風呂です!こちらについても過去に詳しく書いていますので、ぜひご覧ください!
3.「冷やしてれば治る」ではない!
「アイシングめっちゃ良さそう!よし!アイシングを続けて、しっかり治そう」と思った方はちょっと待って!笑 冷やす=良いこと、と思われがちですが、注意が必要です。ベースボール&スポーツクリニックの整形外科医・馬見塚先生も提唱されているように、「アイシングで痛みをごまかし続けることで、状態が長引いてしまう」ケースもあるんです。四十肩の場合にも痛みは減ったけど、肩の動きが制限されたまま、生活に支障が出てしまう可能性もあり得ます。だからこそ、アイシングに関わらず、今の状態をしっかり見極めたうえでケアすることが大切です。
最後に:冷やす?温める?迷ったらプロに相談を
今回の記事では、熊本で肩専門ケアを行う筆者が、「アイシングって何がいいの?」「いつ使えばいいの?」という疑問についてお答えしました!今、肩の状態が炎症期に当てはまる方は、アイシングで少しでも負担を減らしていただければ嬉しいです。もし「私の場合は冷やすか、温めるのかどっちの方がいいのか分からない」という方もお気軽にご相談ください。
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